初対面でリハビリを拒否する利用者さんの背景

気づいたこと

訪問リハビリ最初のハードル

訪問リハビリの分野で仕事をするようになるとまず初めに心が折れそうになるのが〝初回訪問で拒否される〟という事態です。

しばらく訪問リハビリを利用して後で効果が感じられんなかったとか、人柄が会わないといった評価をされるならまだ反省の余地があるのですが、いきなり拒否をされてしまうとどうしようもありません。

訪問リハビリを始める際には、事前に契約や担当者会議を経て利用してもらうことが決定しているのにも関わらず、なぜこうした事態が生じてしまうのでしょうか。

今回は、初回からリハビリを拒否されてしまう利用者さんの背景についてご紹介します。

訪問リハビリに使えるお金がない

この理由はリハビリを断る上で一番多い理由だと思います。訪問リハビリは介護保険を使用して利用できるサービスとはいえ、一回1時間で900円程の料金が発生します。これを一ヶ月続けると、3400円、多い月では4500円の請求になってしまいます。

この金額を高いと思うか安いと思うかは利用者さん次第なのですが、本当にお金がなくてサービスを拒否されるという方は少数派です。

実際にお金がないことを理由にサービスを拒否される方の多くは〝このサービスに支払えるお金はない〟という意味で〝お金がない〟という主張をされています。

私が実際に遭遇したケースでは、初回からサービス拒否の態度を示されていた利用者さんがいましたが、ご家族の説得のもと試しに一ヶ月だけ利用することになりました。その結果、サービス内容に満足されてそのまま利用を続けてもらえるようになったことがありました。

私個人としても、どんなものかよくわからないサービスに支払えるお金がないというのは、確かに正しい意見だと思います。

相談なくサービスが決められていた

利用者さんにリハビリをしてもらおうと思うものの、直接話しをすると拒否される恐れがあるなどの理由から、ケアマネジャーやご家族が利用者さん抜きで話し合い、訪問リハビリのサービスを決めてしまうというケースもあります。

このようなケースでは、訪問リハビリの良し悪しよりも〝私がいない間に勝手に決めたサービスなど利用するものか〟という思いから、サービスを拒否される展開が非常に多くあります。

高齢者の利用者さんであっても、しっかりと自分の意思で物事を決定したいという方はとても多く、娘さんやお嫁さんが勝手に決めたことに対する拒否の態度はとても強いエネルギーを感じます。

担当者との相性が悪かった

これは少しイレギュラーなケースですが、開始一ヶ月以内にサービスが終了してしまう場合は、担当者との相性が良くなかった可能性があります。

2回〜3回の利用を経て〝やっぱりこの人ではない〟という判断をされてしまったわけですが、それでも数回サービスを使ってくれた利用者さんはとてもやさしい人なのだと思います。

本当にお互いの相性がよくなかった場合は担当変更をすればよいのですが、万が一利用者さんかスタッフの一方にその原因がある場合は、その後の対応は慎重に行う必要があります。

利用者さんの中には、見た目や年齢で担当者の変更を希望されることもあります。そんな時は次に出向く担当スタッフにも大きな負担となる可能性があるため、上司などちょっと偉い人が対応したほうがよいと思います。

一方でいつも担当変更ばかりされているスタッフがいるようであれば、それはそのスタッフをどう教育していくか検討していく必要があります。相性の不一致で片付けてしまわぬよう注意が必要です。

まとめ

利用者さんがいきなりサービスを拒否する背景には

⑴お金がないという方は、訪問リハに使えるお金がないという意味だと思った方がよい。

⑵利用者さんに内緒で決定したサービスに反発するため、拒否という意思表示をすることがある。

⑶相性の悪さが理由で拒否されている場合は、どちらに原因があったかしっかりと見極めて対応する。

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