ある勉強会での出会い
私が作業療法士として仕事をするようになって4年間は、とにかく興味のある勉強会や研修会にはなるべく参加しようという思いで活動していました。それは、直接リハビリテーションとは関係のない分野についても、興味のある内容であれば構わず参加するようにしていまいた。
私と同期で交流の深い理学療法士もいろいろな研修会に顔を出していたため、おもしろそうな研修会を紹介してもらっていたのですが、それがある治療院で行われている〝西洋医学〟に関する研修会でした。
東洋医学とは
東洋医学とは、東洋の諸地域で発展した医学のことをいい、誰もがイメージするような鍼や灸、ツボなどを刺激する指圧などをはじめ、漢方を使用した治療も含まれます。
理学療法士や作業療法士として仕事をする際にはあまり馴染みがないとは思いますが、一歩病院の外にでれば、鍼灸治療院、訪問マッサージを利用されている利用者さんも多くいらっしゃいます。
一方、西洋医学とはヨーロッパやアメリカで体系化された、科学的・実験的な方法を取り現代医学の大半を占めるようになったものとされています。リハビリテーションの勉強についても、この西洋医学に基づいて学んできているということとになります。
理学療法士として独立
治療院の先生は〝理学療法士〟です。現在のルールでは、理学療法士や作業療法士の看板を掲げて治療新を開くことはできないことになっています。そこで先生は、理学療法士として勤務をする傍、鍼灸師の資格を取得するため夜間部の学校に通っていたのです。
そこで鍼灸師の免許を取得して、それを看板に掲げて自分の治療院をオープンしたというわけです。そこでは、鍼や灸の治療をはじめ、関節ファシリテーションや低周波治療器を使った物理療法など、理学療法士の視点や手技も交えながら治療を行なっていました。
病院や施設に籍を置いて仕事をするのではなく、こうして自身の治療院で仕事をするという働き方はとても魅力的で尊敬してしまいます。
凝った筋肉に針を刺すと
その研修会では、実際に鍼治療の場面をみせてもらうことができました。腰痛を抱えるスタッフがモデルとなり、張りが強い背部の筋肉に鍼をさしました。
すると驚くことに背中に刺した鍼が小刻みに揺れ始めました。先生の解説では、凝った筋肉に鍼が刺さると筋肉が緩んでいく過程で鍼が振動するのだそうです。その振動が終わると筋肉が緩んだサインということになり、刺さった鍼も楽々と抜くことができました。
解剖標本のように
驚きの現象はまだ続きます。解剖学を学んだ際に腰椎のレベルごとに支配領域が区分けされたイラストを思い浮かべてください。なんと、鍼を刺した途端から支配領域周辺が赤く色付いてきたのです。
この現象も東洋医学では当たり前の光景らしく、鍼が刺さったことで神経の働きも活発になりこうした現象がみられることがあるとのことでした。
東洋医学については特に勉強をする機会もなかったためあまり関心をもっていませんでした、このような研修会に参加してみると、少し知識を深めてみる必要もあるのではと思う体験でした。
まとめ
東洋医学という分野をほんの少しかじってみたらわかったこと
⑴理学療法士や作業療法士としての働き方に囚われない選択肢がある。
⑵実際に鍼を刺してみる筋肉や身体の反応は一見の価値あり。
⑶地域にいる方々は、意外と鍼灸治療のサービスを利用されている方が多い。
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