獲れる資格は獲れるうちに
作業療法士をはじめ理学療法士や看護師の資格を持っている方の中には、介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格を取得している方も多いのではないでしょうか。
特に訪問看護ステーションやデイサービスなど介護保険の分野で仕事をされている方にとっては、介護保険の知識を深める意味合いで勉強したという方もいると思います。
私自身も訪問看護ステーションに転職したことをきっかけに、介護保険の理解を深めようと思いケアマネジャーの資格をしたひとりです。実際にケアマネジャーの仕事をしているわけではありませんが、この資格を取ってみてよかったことやわるかったことについてご紹介します。
ちなみに、正式には〝ケアマネージャー〟ではなく〝ケアマネジャー〟という呼び方が正しいとされているようです。
資格取得に必要な条件
セラピストがケアマネジャーの資格を取得するためには、理学療法士や作業療法士の免許を取得してから5年以上かつ900日以上仕事をした人であれば受験することができます。普通に正社員として5年間仕事をしていれば問題なくクリアできます。
ということは、どんなに頑張っても免許を取ってから5年経過していないと取得できない資格ということになります。ちなみにどうやって証明するのかというと、申込書に同封されている〝実務経験証明書〟という書類を勤務先に提出して正確な勤務日数を記載してもらいます。
5年の間に二度三度と転職をしている人は、それぞれの勤務先に書類を送る必要があるので少し面倒くさいかもしれません。それ以上に、以前の勤務先が潰れてしまったという人は、もっと面倒くさい手続きが必要なようです。
また、合格率は20パーセント前後で推移していますが、決して難しい試験内容でありません。各分野で7割正解できれば良いのです。合格率が低い理由のひとつに、落ちた人の多くが勉強不足のまま受験しているという事情もあるようです。
ケアマネジャーの資格を取ってよかったこと
私がケアマネジャーの資格を取得して感じた利点は、介護保険制度を少し理解できたという点です。ケアマネジャーの資格を取得しても知識が完璧に頭に入っているわけではありません。ただ、介護保険サービスについて利用者さんから受ける相談事にも適切な対応ができるようになります。
具体的には提供表の見方、リハビリの利用上限や福祉用具を利用する時の注意点、家族の負担を減らす介護保険サービスの使い方など、些細なことでも知識があれば利用者さんとの信頼関係を深まることもあります。資格がなくても知識があればできることではありますが。
ケアマネジャーの資格を取って後悔したこと
資格を取ったことで生じるデメリットはないと思っていたのですが、私は資格を取得していたことを後悔させられる出来事に遭遇したことがあります。
それは、転職活動で臨んだある病院の採用面接の時でした。面接官の女医さんに〝ケアマネジャーの試験を受ける暇があるなら整形の勉強をするべきで、作業療法士たるもの手の外だけの治療に専念していればよいのだ〟と言われたことがありました。
ちなみに、ケアマネジャーの筆記試験に合格した後は〝実務者研修〟が待ち受けています。55000円を支払って87時間の研修を受け、各都道府県に登録申請をすれば完了です。ケアマネジャーとして活動する予定がなければ、これほどの労力を要してまで取得する必要はないというのが、実際に取得をしてみた個人の感想です。
まとめ
セラピストがケアマネジャーの資格を取得する場合
⑴合格率は低めだが、勉強しないで受験している人が多いだけかも。やれば受かる試験。
⑵介護保険の分野で役立つ知識が身につくので、訪問リハビリやデイサービスで働く人にはおすすめ。
⑶資格取得までには、多くの時間とお金を要することをお忘れなく。
コメント