担当者の変更を希望されるという経験から何を学ぶ

訪問リハのこと

訪問リハビリで味わう初めての挫折

私がリハビリ病院に勤務をしていた4年間、患者さんからリハビリの担当者を変えてもらいたいと言われたことは一度もありませんでした。免許を取得したばかりの新米作業療法士ですから、知識や技術はもちろんのこと、一般常識すらまともに備わっていないのも関わらず、担当を変更されるという経験はゼロ件だったのです。

ところが、満身創痍で訪問看護ステーションに転職をしてわずか1ヶ月後、担当変更を希望されてしまいました。その時のなんとも言えない複雑な心境は今でも鮮明に覚えています。なぜ訪問リハビリでは〝担当変更〟という出来事が生じるのでしょうか。

入院中は我慢しているだけ

病院で働いていた期間、患者さんから一度も担当変更を希望されなかったのは、しっかりとリハビリの役割を果てせていたからではありません。きっと、患者さんの中には不満を抱え、担当変更をしてほしいと思っていた方もいたと思います。では、どうして言わないのでしょうか。

それは、病院に入院しているという環境が患者さんにとって〝アウェイ〟だからです。もし担当変更の顧望が叶ったとしても、毎日リハビリ室で前任の担当者と顔を合わせるわけですから、こんな気まづいことはありません。だったら数ヶ月の期間、おとなしく我慢してさっさと退院しようと思うのが入院している患者さんの心理だと思います。

訪問で試される本当の実力

訪問リハビリでは、病院とは対照的に利用者さんにとっては〝ホーム〟の環境でリハビリを行うことになります。また、リハビリの必要性を感じて訪問リハビリの利用を希望されているため、サービス内容に満足できなかったり、担当者との折り合いがつかないという場合にはすぐに担当を変えられてしまいます。

料金を支払って利用したサービスに不満な点があれば変更や改善を求めるのは当然のことだと思います。リハビリではそれが練習内容の変更くらいで済めばよいのですが、最後は担当者の変更という形で示されてしまいます。それは、病院でも訪問でも同じことが言えるはずなのですが、利用者さんにとって主張しやすい環境が〝訪問〟というだけなのかも知れません。

担当を変えられた経験から学ぶことも

私も訪問リハビリの分野で仕事をするようになってから、何度か担当変更をされた経験があります。自分としては落ち度がなかったつもりでも、リハビリを受けている利用者さんが満足できなかったのであれば受け入れるしかありません。それは、リハビリの内容に限らず、自らの出で立ちや言葉遣いなども含めて改善していく必要があるということになります。

訪問リハビリの分野に足を踏み入れてみたものの、この〝担当を変更されてしまう〟という経験から、自分自身の未熟さや至らなさを思い知らされた方も少なからずいるのではないでしょうか。そんな時、利用者さんの立場に立って考えてみると、意外と早く立ち直れるかも知れません。

まとめ

担当者を変更されるという出来事

⑴病院では不満があっても言わなかっただけ

⑵訪問では自分の足りないところが浮き彫りになる

⑶その経験が大きな成長に繋がるチャンスと思う

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